大家さん読本座談会No_1

大家さん読本でがんばる家主の会のメンバーが参加した座談会がありました。その後、大家さん読本で掲載された記事の内容を紹介します。

 

記事(1)

 

大家さん読本(以下O):

まず皆さんの所有物件についてお伺いします。

 

松浦:

大阪市生野区で鉄筋コンクリート造のマンション8階建てを1棟経営しています。築22年で、住居28戸、店舗3戸です。「がんばる家主の会」の主宰者です。

 

吉村:

大阪府柏原市でマンション5棟、部屋数104戸所有しています。他に木造長屋が3ヵ所です。名義は分散しています。

 

柏元:

滋賀県草津市、栗東市、大阪府柏原市、あと京都にちょこちょこと。借家経営を始めてから2回相続が起こっていますので、名義は一族に分散しています、分けてみんなで面倒見ているという形です。部屋数にして400戸、ファミリー向けからワンルームまで色々ありますが、なぜか2LDKというのはありません。

 

原:

兵庫県尼崎市で、8戸の文化住宅1棟、6戸の鉄筋コンクリート造のマンション2棟、8戸の鉄骨ALCのハイツが1棟、全部で28戸です。

 

橋本:

大阪府豊中市で、専属名義で6階建てのマンション1棟と、鉄骨ラーメン構造のアパート2棟です。相続の関係で管理しているのは30戸と8戸。残りの半分は親族がやっております。

 

 

●家賃、保証金等の値下げ交渉は必ずある

 

 

O:

それでは最初に、最近の入居者の傾向をお伺いしたいと思います。

 

松浦:

私の地域限定かもしれませんけど、家賃、礼金、保証金を下げてくれという条件交渉が必ずありますね。言ってこない人はいません。ですから私自身が、募集の段階で「条件交渉は相談に乗ります」と言ってあります。不動産会社の人にも「その都度、携帯に連絡入れてくれ」と伝えていますので、携帯に「家賃をいくら、保証金をいくら下げて欲しい」と連絡がありますよ。それに対して、こちらが譲れるか、譲れないかですね。時期的なものもありますし。繁忙期はお客さんが多いので譲れないことが多いのですけど、閑散期の場合は仕方がないなと譲ります。そのままで1ヵ月空くよりは下げても1週間で入ってもらった方がいいですからね。

 

O:

家賃を下げて契約した場合、他の入居者との兼ね合いはどうされているのですか。

 

松浦:

うちは契約書に特約として、「家賃は口外しない、口外した場合は解約、もしくは何ヵ月分の家賃を違約金としていただきます」と入れているんです。そうすることによって、入居者に「うちだけ安くしてもらっているんだ」という意識が生まれますから他言しないです。これでかなり違ってきますね。

 

原:

うちも先週、家賃交渉がありました。1Kだったんですけど、元の家賃から2,000円下げて、さらにもうあと1,000円下げてくれと言われて 、それはさすがにだめだと断ったら、諦めて他に行ってしまいました。

 

橋本:

私は、値下げ交渉について、ある一定のラインを超えるようであれば、入っていただかなくてもいいとさえ思っているんですよ。まあ、多少の家賃交渉にはもちろん応じますけど、私の場合は物件が自分の家のすぐ前にありますので、当然ご近所づきあいも出てきますし。過去にも強引に家賃の値下げを言ってこられた方は、問題を起こす人が多かったんです。ちょっと音のうるさいバイクに乗っているとか、夜中に騒ぐとか…。それは本当に困るので。うちはファミリー物件なんで、子供らが安全に暮らせて、被害に遭わない、そんな地域を作りたいと思っていますので、そのうちに段々こういう方向性になっていったんです。

 

 

●大家さんのこだわりで差別化、入居者の好みと合えば空室は埋まる

 

 

O:

賃貸経営をするにあたって工夫されていることがあればお話下さい。

 

原:

最近付けた設備では、防犯テレビモニターというのは費用が安い割りに効果が高い気がします。

 

松浦:

うちも防犯に関しては一番重視しているんです。ネット上で映像が見られるカメラを9台付けています。住居28戸、店舗3戸で9台はすごいなと言われるのですけれど。テレビドアホン、ダブルロック、ディンプルキー、バールでもこじ開けられないCP錠をつけています。それぐらい防犯には気を配っています。

あと、入居希望者が部屋に案内される時に、大体どこも同じような感じじゃないですか、賃貸住宅の部屋は。それで、差別化するために工夫をしています。マンションの壁というのは大体白系統のクロスなんですが、LDKの1つの面のクロスを赤にしたんです。それからピクチャーレールやスポットライトを付けるなどの工夫もしました。あと造花を飾ったりとか。そういったもので部屋の雰囲気を変えると、「あ、ここは違うな」と思わせることができ、印象に残りますので、たまたま入居者の好みと合うと結構早く決まるということがあります。

 

O:

入居者が部屋を決める動機というのは、立場などにもよるのですけど、他と違う部分というのは大事かもしれないですね。私が今住んでいるところに決めたのも、サッシがアルミじゃなくて樹脂サッシだったんですよ。そういう機能的な部分にオーナーのこだわりを感じてそれでそこに決めました。

 

松浦:

そうところでもオーナーの考え方が分かりますね。

 

橋本:

うちがこだわったのは、フローリングにしなかったことです。あえてカーペット敷きにしました。うちはファミリーの入居者が多くて赤ちゃんや幼児が多いので、皆さん音を気にされます。フローリングだとどうしても物を落としたりとか、飛び跳ねたりすると、いくら遮音ボードを入れても下に音が響いてしまいます。それで、フェルトのクッションを入れて、その上に十何ミリかのカーペットを全部敷いたんです。そしたらそれが気に入って入ってこられた人がいました。

あと、畳の部屋もあるんですけど、「赤ちゃんをちょっと寝かしておく時とか全然問題ないですよ」と言ったらこれも「気に入った!」と(笑)。だから、人気があるからといって全部フローリングにするのではなくて、それを逆手に取ってもいいのかなと思いますね。大体4、5年から10年スパンで入居されるので、それだとまあ、元は取れるかなと。2年で出ていかれたら困りますけど(笑)。

 

 

●入居者とのコミュニケーションは必須、顔と名前は全員一致します

 

 

松浦:

入居者の顔と名前は常に把握して、コミュニケーションは積極的にとるようにしています。数年前からマンションの掲示板にも自分の携帯番号を貼っています。「何かありましたら24時間いつでも連絡下さい」と。入居者に会うたびにも、「どんどん言って下さい」と言いますね。問題は表面化する方がありがたいという気持ちを持っています。不満が溜まって何も言わずに退去する、ということにならないためにも、どんどん言って欲しいですね。ただ、柏元さんのところのように400戸ともなってくると、入居者の顔を全て把握するというのは現実的に無理でしょうね。

 

柏元:

会った時は挨拶はしますけど、さすがに顔と名前を全て覚えるのは無理ですね…。まあ、私一人でやっている訳ではないので、そういう意味では対応した担当者の話の持って行き方なんかで、トラブルは防げるかなと思います。本当に単純な感情のいざこざが発端になると思いますし。

 

原:

私も自ら物件に行って掃除をすることが大事と思っています。行くことによって、入居者ともちろん会いますし、クレームなりを直接聞くことができるんです。入居者はわざわざ電話してくることはなかなかないので、だから家主が物件に行ってコミュニケーションをとるということはとても大事だと思います。あまり深入りはしないですけど。

 

橋本:

私の場合は、物件が道路を挟んで向かいにあるということで、かなり深入りしています(笑)。息子、娘の同級生もかなり入居されていますし、当然、地域での活動も、こういう立場だと色々声がかかりますし。入居された頃は「おはようございまーす」と言われて、「誰だったかな?」と思っていても、そのうち「あ、○○号室の誰誰さんだな」と分かるようになってきます。今は全部の方の名前と顔が一致します。

この間も、「お風呂の換気扇と網戸が調子悪いんです」と言われて、見に行ってみたらどちらももう悪くなっていて、取り替えることにしたんです。合わせて5万円ぐらいだったんですけど、その方が「ありがとうございました!本当にお金払わなくてもいいんですか?」と言われたんで、「え?くれるんですか?」と聞いたら「いや、ごめんなさい、聞かなかったことにしてください」って(笑)。とまあ、こんな冗談を言えるような仲になっていますね。そういうことによって、出て行かない人間関係が作れる、他に行くくらいならここでいいや、他を探そうかなという思いを起こさせないためにも、入居者の話はできるだけ聞くようにはしていますね。

 

吉村:

うちは、父親の代から2年毎に更新手続きをしてもらっています。更新の期日が来た人に契約更新の書類を配って、後日持ってきてもらうようにしています。その時に粗品も渡して。入っている人にしたらちょっと面倒なんですけど。書類には、入居されている方の家族構成をもう一回書いてもらっています。お名前とか生年月日とか。お子さんが生まれたこともそれで分かりますし。それが結構コミュニケーションに役立っている気がしますね。

 

松浦:

更新料を取る、取らないではなしに、更新をすることによって、もう一度お互いに対面することができますし、火災保険の切り替えも2年に1回でちょうどその時にできますからそれはいいですね。うちもそれ、考えてみよう。

 

(つづく)

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