大家さん読本座談会No_2

大家さん読本でがんばる家主の会のメンバーが参加した座談会がありました。その後、大家さん読本で掲載された記事の内容を紹介します。

 

記事(2)

 

●滞納問題はなるべく話し合いで。高圧的な態度は厳禁

 

 

O:

入居者トラブルはありますか。

 

松浦:

うちの場合は滞納ですね。今は第三者に頼んでいるのですが、以前は私が自分で滞納問題を処理していたんですよ。ある入居者で、その方は本当にいい方で、10年間家賃もきっちりと納めていただいていたんですけど、ご主人が会社を辞めて独立されたんです。で、その事業が全然上手くいかなくて、収入がなくなって家賃を滞納しだして。奥さんが3人のお子さんを抱えて夜も昼も働いてなんとか家賃を払おうと努力されていた。私もそれを知っていたからずるずるときてしまって、結果的に10ヵ月分も滞納してしまったんです。

それで、これはもうどうしようもないと思って、奥さんと相談して、当時は8万円の部屋に入っていたんですけど、5万円の部屋に引っ越してもらいました。滞納した額は80万円ぐらいになっていたんですけど、そこから2年かけて全部返されましたよ。だから人間、捨てたものじゃないなあと。以前は逃げられたこともあったんですけど、その方はきっちり返されて。やっぱり日頃から、コミュニケーションをとっていたことが良かったんじゃないかと思いますね。

 

原:

私の場合も120万円ぐらい滞納されていた人がいたんですけど、本人は払う意志があったので、その都度話し合って文書を取り交わして決めていって、待てるだけ待ったんです。金額が増えたときはさすがに民事調停もしましたけども、民事調停以外のことはせずに、できるだけ待つようにしました。最終的には別のところに引っ越されて、その時はまだ80万円ぐらい残っていたんですけど、2年か3年かけて分割で払ってもらいましたね。やっぱり、家主が高圧的な態度に出るのはいけないと思います。できるだけ話し合いで解決できればそれにこしたことはないですね。

 

松浦:

滞納問題の処理として一番いいのは、保証会社などの第三者が事務的に処理することです。家主がからんで人情的になると、ずるずると払いを伸ばしてしまうんですよ。相手の家庭の事情を分かっていますから、つい同情してしまう。ところがそういうのを全然知らない第三者が事務的に処理すると、そうすれば滞納問題は絶対にうまくいきますね。決められた期日までに滞納があれば、まず何をする、3日後には何をする、という処理を事務的にきっちりやっていくんです。結構これで滞納問題は解決できることが多いですね。

 

 

●保証会社選びは慎重に行うべき

 

 

O:

そういう意味では、家賃滞納回収に重点を置いた保証会社の「保証人代行システム」が最近増えてきていますが、みなさんは利用されていますか。

 

松浦:

うちはしています。

 

柏元:

うちもしています。

 

松浦:

しかし、保証会社の中には、夜逃げを奨励する会社もあるようですね。保証料だけしっかり取っておいて、回収できなかったらあとは夜逃げしろと滞納者に言うらしいです。ですから、保証会社をしっかりと選ぶことが大事です。うちは不動産会社を通じて保証会社と契約しているので、自分ではなかなか選べないんですが。

 

柏元:

私が使っている保証会社は、保証料がとても安いので、「こんなんでやっていけるんですか」と聞いたら、はっきり、「溜まった方には出て行ってもらいます」と言っていました。でも裁判費用なんかは保証内容に入っているので、こちらが費用を負担することもない。普通の夜逃げだったらこちらは荷物の処分ができないんですが、それが処分できるように最低限整えて追い出しているようです。こちらとしては、それで滞納は溜まらないし、裁判費用もかからないので、それはそれでOKかなあと思っています。

 

吉村:

うちにも一人ルーズな人がいて滞納を繰り返していたんですが、更新が来た時に、家賃をきっちり払っていただけないんだったらもう出ていってもらってもいいんですよ、と言ったら、「ここを追い出されたら他に行くところないんで出たくない」と言われたんですよ。結局、最初だけこちらが保証会社の保証料を払ってあげたんです、2万円ぐらいやったかな。あとの保証会社の更新の時は、自分で払って下さいと。今ははとても楽ですよ。毎月月初に、保証会社にFAX入れたら中旬以降に延滞料つけて振り込んできてくれるんです。それでその方とはもう、その後滞納のいざこざがなくなりました。

 

 

●連帯保証人と借主の関係が希薄になりつつある

 

 

O:

以前は夜逃げの後の荷物の引き取りなどを、連帯保証人がするのが当たり前だったのですが、今は、ただ名前を貸しているだけという保証人が増えたように思います。

 

松浦:

一番困るのは、長期入居されている方だと、保証人がもう既に亡くなっているとか、連絡してもその住所にいないとかがあるんです。そうなると連帯保証人が何の役にも立たなくなってしまいます。

 

吉村:

連帯保証人に関しては私は無関心ですね。入ってもらった人とのやりとりしかないと思っていますから。あとは、不動産会社の担当者に「いい人を紹介して下さい」と言ってあります。人となりといいますか。それが結構当たってるような感じがします。こちらも、会ったことのない連帯保証人なんか、問題が起きたときにしか連絡しないじゃないですか。上手くいくはずがないですよね。

 

柏元:

私も連帯保証人に払ってもらおうとは全く思っていません。とりあえず相談はしてみますが。人間関係ができている人だったら、力添えはしてくれますし。でも払ってくれるとは全然思っていないですね。

 

原:

保証人が本人の親や身内だったら安心なんですけど、それ以外の名前になっている場合はちょっと要注意かなと思っています。でも不動産会社に決めてもらうので、断りにくいということもあって、大概、そのまま受け入れるということが多いです。

 

柏元:

うちは管理会社も兼ねているのですが、とりあえず、契約が成立すると決まった段階で連帯保証人に電話するようにしています。「お世話になります、よろしくお願いします」と。学生さんが入られたところなんかだと、親御さんも喜ばれますね。連帯保証人としての意志確認にもなりますし。

 

吉村:

それはいいかもしれないですね。

 

柏元:

連絡入れたら、たまに「そんなん聞いてない」と言う方もおられます(笑)。

 

吉村:

問題が起きた時に「私、知りません」と言われたらもうそこまでですし。賃貸の連帯保証人なんか、印鑑証明と実印だけなんで、ほとんど信用関係でしか成り立っていない。貸主が連帯保証人の所に行って、連帯保証の意味とか全部確認してそれで納得してもらってハンコ押してもらうなら話は別ですけど。私は以前銀行に勤めていたんですけど、金融機関では、何月何日、何時何分、天気、相手の服装、自分の服装、周りに誰がいた等、全部記録してます。そこまでやっていますね。

 

橋本:

「がんばる家主の会」のメンバーに、管理会社業をしている人がいるのですが、その方は、連帯保証人の審査はきっちり自分でするそうです。保証人に電話をした後に、何月何日、何時何分、担当者誰というのを全部メモして、それを大家さんにも渡すらしいです。それでも滞納が起きた時に連帯保証人に電話したらやっぱり「知らない」と言われることがあるようで、その時は「こちらは、何時何分にかけたという記録がありますから、NTTに問い合わせて通話記録を取り寄せてもいいですか」とかなんとか言うらしいですよ。そうすると向こうも覚えてるから「…分かりました」と言うらしいです。

 

吉村:

「出たのは僕じゃないです」と言われたら?

 

橋本:

でも、そこで誰かが電話に出ている訳じゃないですか。記録が残っているので。

 

吉村:

そうですね、そこまで言われたら知らん、という人はあまりいないですね。

 

橋本:

電話1本かけて契約書の裏にメモしておくだけでいいのか、と思いました。まあ、実際もめた時に勝てるかどうかは別の話なんですが。「何時何分に私は誰それさん宛てにかけました」と言うだけで、向こうは「ああ!」と思うらしいですね。

 

吉村:

そうやって管理会社の方が最初に確認の意味でかけるのは、それなりに意味がありますけど、柏元さんのように、大家さんが直接かけるのは、連帯保証人にもいい印象を与えるでしょうね。

 

柏元:

うちは管理会社もやっているので…。管理会社であり、大家でありという立場ですから。保証人の方はあまり大家とは思ってないかもしれませんけどね。

 

 

●生活保護を受けるためにわざと離婚

 

 

橋本:

私のところは母が入居審査をしているのですが、滞納はここ10年で1回だけでした。その1回も、奥さんとおばあちゃんと娘さんの3人で自営されていて、それで、震災でお店がつぶれてしまった、と涙ながらに訴えてこられて。それだけでした。私は基本的には紹介してくれる不動産会社を信用していますので、その不動産会社もうちの好みを知っているので、うちに合ったお客さんを回してくれる。あと、10件に3件ぐらいは、仲介業者抜きで地元の人が「橋本さん、空いてない?」と直接言ってきます。お友達がもっといい校区のところに住みたいらしいとか、近所に住んでいる娘さんがお母さんを近くに呼び寄せたいから、とか。だから、本当に、保証人云々というのはそこまでシビアに考えたことないですね。

 

松浦:

私がもし誰かに連帯保証人になってくれと言われても、多分ならないと思うんですよ。連帯保証人というのは連帯責任がありますから。自分の息子ぐらいだったらなってもいいかなと思いますが、それ以外だとまずならないですね。兄弟でもならないです。だからこれからは連帯保証人を確保するということが段々難しくなっていくでしょうね。

 

吉村:

そういえば、先月入居された方で、保証人が奥さんという方がいたんです。同居だったら保証人になれないでしょう、これは離婚するんだなと思いましたね。それで、仲介会社に「これは離婚するんですか」と聞いたんですけどそちらも「ちょっとよく分かりません」と。結局、契約してから入居するまで2ヵ月ぐらいかかって、保証人も父親の名前になっていました。その人に問題があるかどうかはまだ分かりませんけど、連帯保証人の名前がちょっとおかしいなと思うようであれば、それは確認するようにしています。

 

松浦:

うちの地域でも、母子家庭の生活保護を受けるためにわざと離婚するという人もいます。それで、実際は一緒に住んでいる。離婚しているはずなのに、旦那さんのような人が住んでいる、とかね。最初から計画的にしているんですよ。でも、それも仕方ないのかなとも思いますが。

 

原:

うちはワンルームに入られる方は、一人ではなく、二人で住まれる方が多くなってきているみたいです。彼氏と住んでいるのかな。設備は人気のないユニットバスなんですけど、それでも二人で住んでいるみたいです。

 

吉村:

ずっと彼氏と一緒にいたいんでしょうかね(笑)。

 

原:

人数が増えるとやはり騒音も出るからクレームも多くなりますね。今はもう退去されているのですけど、その騒音のために、下の階の人がノイローゼになってしまって。今の若い方は寝るのも遅くて、2時とか3時みたいですね。それで余計に問題になるようです。クレーム対策として、アンケートを配ったり、1軒1軒電話したり、看板を設置したりしました。最終的には出ていかれましたけど。

 

(つづく)

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