1.「大相続時代」に備える新資格登場!『相続診断士』
この講義では相続診断士という新資格の説明が主たる内容でした。
平成27年より相続税は増税されます。相続税はより対象者を多く、また現行での対象者にはより多く課税されることとなり、いわば広く、深く増税されることとなりました。
講義の中で大変興味深かったのが遺産分割金額の金額別訴訟割合のデータでした。遺産分割金額の75%の訴訟が現行の相続税法において非課税者で、家裁に持ち込まれる相談数は年々増加傾向にあり離婚を上回ったとのこと。私事になってしまいますが親戚でも土地の承継で若干もめており相続というものはとても身近に感じています。かけがえのない血縁者間で争うことが悲劇的であることは言うまでもないことでそれは思っているより身近な出来事です。そのような問題に対し身近に相談できる相続診断士がいればとても心強いなと思いました。
2.物件ホームページを自分でつくろう!
続く講義は関西の敏腕家主である皐月さんのホームページ作成を勧める講義でした。
Sさんは多角的に物事を捉え、大変わかりやすい講義でした。
講義の進行は賃貸住宅業界における需要と供給のバランスの変化、お部屋選びのトレンドの変化から始まり、具体的なホームページ作成の勧めへと展開されました。
インターネットの活用の重要性は自分でも理解しているつもりでしたが、ホームページの作成にはとてもネガティブな印象をもっておりました。それは一番の情報源は大手ポータルサイトであり、それが全てだと思考停止していたからです。しかし、お部屋選びというとても大きな選択をするときにポータルサイトから得られる情報はとても乏しく、それのみで決定することは当然ないとのことです。Sさんのデータによればこの前者の比重がとても軽くなっているとのこと。確かに不動産会社で内見し営業活動をしてもらう時間は非常に限られ、不動産業者側のリターンからみてもそれは当然です。そこで私たち家主が直接アプローチするべきで、その最たる場であるホームページの作成は重要事項であるという論理展開は非常に明快であるとともに自分の至らなさを痛感しました。
またそのあとも何を載せるべきか、どう作ればよいのかというところまでSさんの貴重な実体験をもとに講義いただきとても有意義な講義でした。
3.『「付加」する空室対策から「深化」する空室対策へ』
最後はAエージェント株式会社さんによる物件の価値を掘り下げ空室対策をするという講義でした。前述の講義は「どのように訴求していくか?」を主眼においた講義であるとするならばこの講義は「何を売り込んでいくか?」の講義で、お部屋選びを実際にポータルサイトでしてみた実例から入り、マーケティングの傾向というとても広い視野に立った講義をし、個別具体的な事例へと展開していきました。ミクロからマクロ、マクロからミクロへ展開していく大変わかりやすく興味深い講義でした。
より交通の便がよく、より広く、より安く・・・といったシンプルでどの物件もが立つ土俵から離れ、全く新たな視点で再評価すべき物件は自分のところにも少なからずあると感じました。ただ若い人、ただ学生というのではなくより深く、どういう学生なのか?住んでいる人にどういうメリットがあるのか?を再考し改めて自分の物件を見つめなおす機会を得た講義となりました。Sさんの講義と絡めて今後大いに活用させていただける講義内容でした。
最後に、松浦会長をはじめとした運営にご尽力されている皆様のご労苦に敬意と感謝を表し、大変浅学で雑文ではございますが今回の講義の感想とさせていただきます。
K.Y