「賃貸経営と人生を意味あるものに」
大家さんフェスタで本会を知り、三代目家主の立場として今回初参加しました。祖父の時代から承継している賃貸経営(個人)を手伝う傍ら、縁があって不動産会社に勤務することとなり、二十余年が経ちました。オーナーの立場である一方、不動産会社の立場もあり、管理に関しては以前からこの中間的な立場にジレンマを感じていました。一般的に、オーナーと不動産会社はトレードオフの関係にあるだけでなく、立場的に主従関係(或いは情報・知識量の点でそれが逆転)が成立してしまうケースが多いことから、なかなか本音で意見交換することは難しいというのが現状です。オーナーが賃貸経営する目的は、資産の安全性・定期的収益・レバレッジ・節税・相続、そしてオーナーとしての誇り…等、三者三様の考え方があります。初めて本会に参加した所感は、目的や職業、年齢だけでなく、様々なお考えやお悩みのオーナー様がいらっしゃる中で、皆様が「不動産」という共通項をもち、何ら利害関係なく情報や意見を共有し合っておられるのを実感し、こんなに会員間の距離が近い会は他にないと思ったことです。私は本会を通じて、一人のオーナーとして会員の方々と本音で賃貸経営について情報や意見を共有したい一方で、自身が培った知識や経験を会員の皆様と共有することで、僅かながらも貢献したいと思っています。賃貸経営は数字が大切ですが、そこには入居者や介在する不動産会社があり、その意味において、賃貸経営は血の通った関係性の構築が必須です。そして、家賃・入居率・空室期間などの数字や、人の関係性構築には必ず「意味」があり、その「意味」にこそ価値があると信じています。これを人生と同様として捉え、私は本会を通じて、その「意味」を会員の皆様と深めていきたい思います。
E.N